爪下皮(ハイポニキウム)とは?爪のピンク部分を大きくするコツを知り、丈夫な爪を育てよう
インターネットでは、美容に関するネイルケアの情報は良く目にしますが、爪の機能に着目して爪の基礎知識や専門的な視点を教えてくれるところは、なかなかありません。
tsumeplusでは、スポーツと健康の爪ケア専門サロンとして、爪の機能と役割を中心に爪の構造や特徴を解説していきます。
今回は、「爪下皮(そうかひ)」の特徴を知って、日常のネイルケアに役立てましょう。
監修者・執筆者
このページの内容
爪下皮(そうかひ)= ハイポニキウムとは?
爪下皮は「そうかひ」と読み、爪の裏側にある皮で、爪と指先の末端をくっつけているの部分のことです。
英語では「hyponychium:ハイポニキウム」と言います。
爪下皮の特徴と解説
爪下皮(ハイポニキウム)は、爪のピンクの部分である爪床(ネイルベッド)の長さと関係があります。
つまり、爪下皮が伸びていると爪のピンクの部分が大きくなり縦長の爪に見えます。
逆に爪下皮がほとんどないと、爪の裏がポケットのように凹んでしまい、爪の表面から見るとピンクの部分が小さい爪になってしまいます。
爪下皮の役割は、主に2つあります。
爪下皮(ハイポニキウム)の役割
- 爪甲と爪床を爪先でくっつけていて、爪が剥がれないようにしている
- 細菌や異物が爪先から体内へ侵入しないように防いでいる
①爪甲と爪床を爪先でくっつけていて、爪が剥がれないようにしている
爪の白い部分とピンクの部分の境目は、爪の裏側で爪下皮(ハイポニキウム)が伸びている位置とほぼ同じです。
爪と爪床をくっつけている爪下皮が長く伸びていると、爪床(ネイルベッド)の面積も大きくなり、爪が縦長で丈夫な爪に育ちます。
また、爪下皮が伸びているということは、爪の白い部分が短くなりますので、外力による爪割れや亀裂から間接的に爪を守ることにも繋がります。
つまり、爪下皮(ハイポニキウム)を育てることで、スポーツや日常生活で爪のトラブルを予防することができるのです。
②細菌や異物が爪先から体内へ侵入しないように防いでいる
爪下皮(ハイポニキウム)のもう一つの役割は、爪の裏側(爪甲の下)から体内に細菌や異物が侵入しないように防いでいます。
爪の裏側を見て爪下皮(ハイポニキウム)が奥まって凹んでいると、その隙間に泥や砂、衣服の繊維などが挟まってしまい、爪下皮の成長を妨げてしまいかねません。
また、爪の裏に凹みがあると、狭くて湿気がある場所が好きな細菌の温床になりかねません。
爪下皮(ハイポニキウム)を育てて伸ばすことは、衛生面でも大きな効果が期待できるのです。
爪下皮のネイルケア
爪下皮(ハイポニキウム)と似た名前の爪の部位に、爪上皮(エポニキウム)があります。
爪上皮(エポニキウム)は、甘皮(キューティクル)とも呼ばれ、健康的で丈夫なピンク色の爪を育てるために関係していました。
▶︎ 関連記事「甘皮(キューティクル)とは?アスリートがセルフケアで甘皮ケアをおすすめしない理由」
ネイルケアの観点から言うと、同じ爪にくっついている皮でも、爪上皮・甘皮は適度に処理すると良い皮でしたが、爪下皮(ハイポニキウム)は伸びていても、爪上皮・甘皮のように除去する必要はありません。
爪下皮と爪上皮は、爪を育てるネイルケアでは逆のケア方法が必要ですので、注意をしましょう。
それでは、爪下皮はどのようにケアするのが良いのでしょうか?
爪下皮のケアのポイント
- 爪下皮をむやみに触らない
- 深爪にしない
- 乾燥に気をつけ、保湿する
①爪下皮をむやみに触らない
強く丈夫な爪を育てるには、爪下皮(ハイポニキウム)を伸ばすことが大切だと分かりましたが、そもそも爪下皮は勝手に伸びてきません。
爪の成長に合わせて爪とくっついている皮膚が引きずられることで、おのずと伸びてきます。
そのため、爪下皮(ハイポニキウム)を伸ばすためには、爪下皮を剥がさないようにすることが重要です。
しかし、爪下皮は非常にデリケートなので、次のような行為で簡単に剥がれてしまいます。
- 爪にかかる衝撃
- 爪の間に挟まったゴミを反対の爪や爪楊枝などでほじくり出す
- 乾燥
爪下皮は、とても繊細です。
爪と爪床をくっつけていると言っても、密着しているのではなく、乗っかっているだけです。
爪の間の汚れをほじり出したりする少しの衝撃や、洗剤を使用した後の皮脂分の損失、また手洗い後に水分をしっかりと拭き取らず自然乾燥させてしまうことは、爪下皮にとって大敵なので注意しましょう。
もしどうしても水で取れない汚れがあったら、ネイルオイルを多めにつけてみましょう。水では流れなかった異物もオイルでは出てくる場合があります。
②深爪にしない
爪下皮が奥まって凹んでしまう行為で意外と多いのが深爪です。
爪切りで爪の白い部分をできる限り切りたいと思っている人は、たまに爪切りで痛みを感じる時があるかもしれません。
爪下皮は、爪そのものではなく皮膚の表皮ですので神経が通っていますので、痛みを感じる場合は爪と一緒に爪下皮(ハイポニキウム)を切ってしまっている可能性が高いので注意しましょう。
また噛み爪の癖がある方は、知らず知らずのうちに爪下皮を傷めていることがあり、爪下皮が伸びにくくなってしまっている習慣がついてしまっていると思われます。
例えば、ストレスを感じた時に爪を噛んでしまうなら、爪を触ってしまうのか、口寂しいのかを自己分析して、ストレスリリーサーを使う、ガムを噛むなど対策すると良いでしょう。
③乾燥に気をつけ、保湿する
最後のポイントは、乾燥に気をつけて保湿することです。
爪下皮は、皮膚の表皮にあたりますが、とても乾燥に弱い特徴があります。
スポーツや日常生活では何かと物に触れることが多いですが、特に指先はどんどん皮脂分が失われていきます。
スマホの画面が指紋だらけになっているのは、それだけ指先の皮脂分がスマホの画面に付着して失われた結果です。
ですので、ネイルオイルでしっかりと保湿をしてください。
お持ちでない方はハンドクリームで代用しても構いません。
ほとんどの日本人はネイルケアはしていない状態ですので、「ネイルオイルを持っていないから保湿しない」ではなく、まずは「保湿する習慣を身につける」ことが大切です。
保湿の際には、ぜひ爪の周囲を少し押すような感じで揉み解すと血行が良くなり、爪が伸びやすくなるのでおすすめです。
爪下皮のまとめ
いかがでしたでしょうか?
爪下皮(ハイポニキウム)を育てることは、爪のピンクの部分が大きくなり見た目のキレイさを作るだけではなく、衝撃に強い丈夫な爪をつくる上で大切なネイルケアです。
爪が縦長になり面積が大きくなるということは、負荷点(ストレスポイント)が爪先に形成されやすくなるので、外力を面で受け止められやすくなり、それだけ外力に対抗する丈夫さが備わります。
爪のピンクの部分を大きく育てるコツは、爪下皮の保湿です。
ぜひ爪下皮(ハイポニキウム)を保湿する習慣を身につけて、強く丈夫な爪を育てましょう。
爪の構造と各部位の名称・役割一覧
※順次、各部位の詳細ページを公開しています。
爪の構造と役割の基礎知識
知りたい爪の部位をタップして、爪の構造と役割、そしてネイルケアの知識を深めよう。
爪を衝撃や感染から守る部位
爪の成長に大切な部位
爪と皮膚を留めている部位
爪が持つ三層構造
※これらの呼び方は、書物によって異なる場合があります。
自宅で1分の保湿ケア習慣で強い爪に!
「EMUCARE(エミュケア) 肌爪オイル」は、スポーツ選手やアスレチックトレーナーがクールダウンのマッサージで愛用するエミューオイルをベースに作られた、健康スポーツ専用の肌爪オイルです。
爪だけでなく、皮膚も含めた指先全体を整えるので、ホームコンディショニングにおすすめです
監修者・執筆者
-
マラソンで自身の膝トラブルの原因が爪にあることに気付き、爪に深い興味を抱く。
その後、3万の爪をケアしてきたネイルサロンオーナーを経て「爪と身体の関係」を研究。TOKYO2020オリンピックパラリンピック選手村でネイルケアを提供する。「爪と運動力学」を視点に独自の分析理論を持ち、国立大学と共同研究、元日本代表選手のサポート、メディアや講演等に出演し爪の重要性を啓発する。
・アスリートネイル協会 認定アドバイザー
・アスリートネイル協会 認定ネイルトレーナー
・爪切り指導士
・熱中症対策アドバイザー
最新の投稿
「爪の悩みゼロを叶えるサロン」
- 1%でも強くなる方法を探しているアスリート
- 爪のトラブルは仕方ないと諦めている方
- 爪のことは誰に相談したらいいか分からない方
爪には爪の正しいケアと改善する手順があります!ぜひ一度ご相談ください!