爪先(フリーエッジ)とは?爪が割れる構造的な理由を知って爪割れを予防しよう

インターネットでは、美容に関するネイルケアの情報は良く目にしますが、爪の機能に着目して爪の基礎知識や専門的な視点を教えてくれるところは、なかなかありません。
tsumeplusでは、スポーツと健康の爪ケア専門サロンとして、爪の機能と役割を中心に爪の構造や特徴を解説していきます。
今回は、「爪先(そうせん)」の特徴を知って、日常のネイルケアに役立てましょう。
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爪先(そうせん)爪甲遊離縁(そうこうゆうりえん)= フリーエッジとは?
爪先の読みは「そうせん」と言い、爪甲が伸びて爪床から離れ、指先に飛び出している爪の一番先端の白くなっている部分の名称です。
私たちがいつも爪切りで切っている部分が、爪先です。
医学の世界では別名、爪甲遊離縁(そうこうゆうりえん)とも呼ばれ、英語では「free edge(フリーエッジ)」と言います。
爪先の特徴と解説
爪甲は、爪母で新しい爪が作られ、古い爪を前に押し出すように伸びていくが、爪先に達すると皮膚との接着性がなくなってしまうため、真っ直ぐ飛び出すように伸びて爪先となる。
爪先は、爪床の紹介ページで解説したように、爪床から水分を受けることができないため、水分含有量が減少して乾燥することで、硬く白くなっていきます。
乾燥の度合いが進むと、爪は柔軟性がなくなり、二枚爪や爪割れ、爪の剥がれにつながります。
健康な爪の爪先は、爪を指の先端側から見た時に、ゆるやかなカーブを描いています。
このカーブのことをネイル用語で、Cカーブと言います。
Cカーブがゆるやかなカーブを描いている理由は、指先の丸みに沿って爪が生えているからとも言えますが、もっと爪の構造上の重要な役割があります。
橋やダムは直線ではなくカーブを描いて建築されていますが、このカーブが橋を渡る車や堰き止めている水の重量を分散して支えています。
橋やダムと同じように、爪もカーブを描くことで衝撃などの外力が一点にかかって爪が割れることを防いでいるのです。
しかし、カーブが強ければ良いと言うものではありません。カーブが強いと巻き爪になり爪が皮膚に食い込んで痛みを生じるなど別の問題が出てくるからです。
Cカーブという爪が持つ構造が、爪を守る働きをしていることを知っておくと爪が割れる原因をより深く考察することができます。
爪先とネイルケア
爪先は、爪切りできる部位なのでネイルケアで一番多く関わっています。
爪先のネイルケアでは、爪やすりと保湿の2つがとても重要です。
爪先のネイルケアの2ステップ
- 爪切りを使った後は、爪やすりで断面をなだらかにする
- 爪を整えた後は、保湿をする
爪切りを使った後は、爪やすりをかけましょう。
なぜなら、一般的なクリップタイプの家庭用爪切りは、切りっぱなしにしていると、爪の三層構造を壊したままになっていることが多いからです。
爪は皮膚の附属器官であり、皮膚が表皮、真皮、皮下組織の三層からなっているように、爪も背爪、中爪、腹爪の三層構造でできています。
その爪の層の繊維の方向が上から縦、横、縦に走っていますが、爪が乾燥した状態で爪切りをすると、層と層の間に隙間ができてしまい、層ごとに分かれることで二枚爪が起こってしまうのです。
二枚爪は乾燥した爪に強い力が入ると起きるので、お風呂上がりに爪を切ることと、爪やすりを使うことで家庭でも予防することができます。
継続的な爪の保湿がスポーツパフォーマンスを上げる
爪先が白いのは、水分が失われているためと伝えましたが、爪は水分がないと柔軟性も損なわれます。
つまり、外的衝撃がかかった時に爪が割れやすくなってしまいます。
野球のピッチャーは、投球時に爪に衝撃が加わるので、爪割れに悩まされている選手はとても多いです。
爪先は負荷点(ストレスポイント)にも接している為、衝撃の負担が集まりやすく、これを予防するには爪のコンディションを整えることが必要です。
爪のコンディションを整える基本
- 爪の形を整えること(=爪が割れにくい構造に整える)
- 爪を保湿すること(=柔軟性を与え、構造の外力許容範囲を強化する)
手も足も最適な爪の形があります。
それを知り、爪のコンディションを整えることが安定したスポーツパフォーマンスアップに求められます。

爪先のまとめ
爪先は、一番日常的なネイルケアの部位です。
その分、毎日の積み重ねが爪のコンディションの差になって出てきます。ミリ秒、ミリ長を競うアスリートの現場では僅差の勝利につながる可能性もあります。
アスリートだけではありません。日常生活でも爪の保湿が行き届いてないことで、ズボンを履く時や布団に引っかかったりで痛みや剥がれを伴う場合もあります。
乾燥は皮膚にとっても爪にとっても大敵です。毎日のネイルケアを見直して、指先から健康を磨きましょう。
爪の構造と各部位の名称・役割一覧
※順次、各部位の詳細ページを公開しています。
爪の構造と役割の基礎知識
知りたい爪の部位をタップして、爪の構造と役割、そしてネイルケアの知識を深めよう。
爪を衝撃や感染から守る部位
爪の成長に大切な部位
爪と皮膚を留めている部位
爪が持つ三層構造
※これらの呼び方は、書物によって異なる場合があります。
自宅で1分の保湿ケア習慣で強い爪に!
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監修者・執筆者

- 株式会社tsumeplus 代表取締役
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マラソンで自身の膝トラブルの原因が爪にあることに気付き、爪に深い興味を抱く。
その後、3万の爪をケアしてきたネイルサロンオーナーを経て「爪と身体の関係」を研究。TOKYO2020オリンピックパラリンピック選手村でネイルケアを提供する。「爪と運動力学」を視点に独自の分析理論を持ち、国立大学と共同研究、元日本代表選手のサポート、メディアや講演等に出演し爪の重要性を啓発する。
・アスリートネイル協会 認定アドバイザー
・アスリートネイル協会 認定ネイルトレーナー
・爪切り指導士
・熱中症対策アドバイザー