背爪(トッププレート)とは?背爪が育つとスポーツに強い爪ができるワケ

爪の三層構造の解説断面図(背爪)

インターネットでは、美容に関するネイルケアの情報は良く目にしますが、爪の機能に着目して爪の基礎知識や専門的な視点を教えてくれるところは、なかなかありません。

tsumeplusでは、スポーツと健康の爪ケア専門サロンとして、爪の機能と役割を中心に爪の構造や特徴を解説していきます。

今回は、「背爪(はいそう)」の特徴を知って、日常のネイルケアに役立てましょう。

監修者・執筆者

背爪(はいそう)= トッププレートとは?

背爪は「はいそう」と読み、三層構造になっている爪甲の一番表面にある爪全体を守る役割がある層です。

英語では「top plate:トッププレート」と言います。

背爪の特徴

背爪の特徴をまとめました。

爪の三層構造を構成する残りの「中爪」「腹爪」と比較ができるようにしたので、下の表をご覧ください。

爪の三層構造の特徴比較表

名称繊維方向硬さ厚さ
背爪(トッププレート)硬い薄い
中爪(ミドルプレート)柔らかい厚い
腹爪(アンダープレート)柔らかい薄い
爪の三層構造の比較表
爪の三層構造の解説断面図(背爪・中爪・腹爪)
爪の三層構造の繊維方向

背爪(トッププレート)の特徴は、とても硬く丈夫にできていて、爪全体を守るプレートになります。

外力による衝撃などの物理的な力から守る他、爪の病気にかからないように細菌などに対抗するなど、爪の強度と傷病の予防においてかなり重要なプレートとなります。

また硬いだけではすぐに割れてしまうため、背爪の厚さはとても薄く、剛性の中に柔軟性を持った特徴があります。

背爪(トッププレート)は薄さはどのくらい?

薄いと言っても、一体どれほどの薄さなのか?

爪甲のページでも紹介していますが、爪の厚さは約0.3〜0.8mm(男性:平均0.6mm、女性:平均0.5mm)と言われています。

▶️ 関連記事「爪甲(ネイルプレート)とは?爪甲の特徴を知ってネイルケアに役立てよう」

背爪はその一部分ですが、マイクロスコープで爪の断面を見た画像がありますので、他社様のサイトではありますが引用して紹介させていただきます。

写真の①が背爪(トッププレート)、②が中爪(ミドルプレート)、③が腹爪(アンダープレート)です。


マイクロスコープで見た男女の爪の断面

画像出典:パラジェル オフィシャルブログ「爪のトッププレートの役割」

背爪の解説

爪は、一般的に男性よりも女性の方が薄いと言われています。

上の画像を見るとその様子も見られますね。

背爪は、爪全体を外力から守るために、とても硬くて丈夫にできていますが、その背爪が薄くなってしまうと爪全体の強度が弱くなってしまい、様々な爪のトラブルが起きます。

背爪が薄くなると起こる爪トラブルの例

  • 爪が柔らかくなる
  • 亀裂が入りやすくなる
  • 爪が欠けやすくなる
  • 爪が割れやすくなる
  • 爪が反りやすくなる
  • 二枚爪になる

こうして見ると、誰もが感じたことがある「よくある爪の悩み」が挙がってきます。

それほど背爪が果たしている、爪を守る役割がとても重要だと分かるのではないでしょうか。

背爪のネイルケア

それでは、背爪(トッププレート)を正しくネイルケアするにはどのようにしたら良いのでしょうか?

背爪は、硬いプレートとは言え非常に薄いので、ネイルケアのどの工程においても丁寧に扱うことをおすすめします。

背爪のネイルケアで注意したいポイント

  1. 爪切り
  2. 爪やすり
  3. 甘皮の除去
  4. 保湿

①爪切り

爪切りをする時は、お風呂上がりが一番ベストなタイミングです。

爪は水分を含むと柔らかくなりますので、お風呂上がりに爪を切ることで、爪への負担を最小限に抑えられます。

家庭用の爪切りで切る際は、爪切りの端を使って小刻みに切ることがおすすめです。

②爪やすり

爪やすりは、爪切りよりも爪に負担がかからず優しいと言われますが、爪やすりも注意しなければいけないポイントがあります。

それは、爪やすりの目の粗さです。爪やすりは薄い木の板の両面に紙やすりを貼り合わせたような構造になっていますが、やすりなので目の粗さにバリエーションがあります。

目の粗さをグリットと言い、数字が小さい方が目が粗く、数字が高い方が目が細かい爪やすりとなっています。

一般的には180グリットの爪やすりが多いですが、女性は男性に比べて爪が薄いので、爪やすりをかけていて爪が引っ張られているなぁと感じたら、力加減を弱くするか、もう少し目の細かい200〜240グリットを使用することも考えてみてください。

そうすることで、背爪(トッププレート)への負担も軽減されます。

③甘皮の除去

甘皮(キューティクル)が爪甲にベタっと張り付いている人は、背爪(トッププレート)の厚さに影響を受けます。

爪母でつくられた爪甲は、後爪郭と甘皮にプレスされて押し出されているようなものですので、生活習慣や後爪郭の健康状態によって、トッププレートの厚みや硬さに変化が生じます。

爪を噛む癖がある方や、指が荒れやすい方の爪が凸凹してしまう場合があるのは、そのためです。

甘皮の除去では、後爪郭まわりの甘皮を均一に除去することが、全体的に綺麗な爪を育てることにつながります。

ただし、甘皮の除去はセルフケアでは非常に難しい技術です。

正しい爪の解剖学と甘皮除去の力加減を爪の状態を見定めてケアしなければ、爪の工場である爪母を傷つけかねませんので、アスリートネイルトレーナーなどのプロにお願いしましょう。

アスリートネイルトレーナーは、下記の記事から探すことができます。

専門家一覧

「スポーツや健康面で、爪の相談は誰にしたらいいの?」tsumeplusでは、爪の専門家であるアスリートネイルトレーナーがどこにいるかご紹介しています。日本地図から簡単に…

④保湿

爪の保湿も大事なポイントです。

爪先(フリーエッジ)のページで紹介した通り、爪のCカーブの衝撃吸収性を生かすには爪を保湿して、爪自体の柔軟性を上げることが重要です。

▶︎ 関連記事「爪先(フリーエッジ)とは?爪が割れる構造的な理由を知って爪割れを予防しよう」

年齢を重ねるにつれて肌の水分量が少なくなっていくように、爪も水分量が少なくなります。

ですので、体内から補えない水分は、体外から加えることがとても大切なセルフケアです。

背爪(トッププレート)は硬いプレートだからこそ、剛性だけで衝撃に対抗するのではなく、爪を保湿をすることで柔軟性を高め、衝撃吸収性を上げましょう。

背爪のまとめ

背爪(トッププレート)は、爪の健康状態と密接に関わるので、丈夫で強い爪に導くために欠かせません。

爪の三層構造の一番外側のプレートであるため、日常生活の危険に晒されているという意識を持って、保湿を中心とした毎日のネイルケアで労りましょう。

特にアスリートにとってパフォーマンスを上げるためには、トッププレートを強固に保つことが爪のコンディショニングを考える上で必須不可欠です。

ジェル補強をして試合に臨む方法もありますが、爪の厚さが変わることでプレー感覚に狂いが生じて集中力が散漫になるなど、リスクはどうしても付き纏います。

試合でも練習でも同じ条件でプレーをして感覚を研ぎ澄ませることは、ベストパフォーマンスを発揮する上で重要です。

アスリートネイルトレーナーとしては、爪のコンディショニングのためにも、トッププレートを強く育てることをおすすめします。

爪の構造と各部位の名称・役割一覧

※順次、各部位の詳細ページを公開しています。

※これらの呼び方は、書物によって異なる場合があります。

自宅で1分の保湿ケア習慣で強い爪に!

「EMUCARE(エミュケア) 肌爪オイル」は、スポーツ選手やアスレチックトレーナーがクールダウンのマッサージで愛用するエミューオイルをベースに作られた、健康スポーツ専用の肌爪オイルです。

爪だけでなく、皮膚も含めた指先全体を整えるので、ホームコンディショニングにおすすめです

爪の保湿でスポーツに適した爪に育てよう!

爪は保湿することで、強い爪圧に耐えられるスポーツに適した爪が育ちます。

それだけでなく、爪自体にうるおいがあると爪の柔軟性が保たれるので、衝撃がかかっても爪がしなってくれて割れにくくい爪になります。

毎日寝る前に1回からでも爪の保湿をルーティーンにして、理想のプレーを叶えよう!

エミュケア 肌爪オイル
EMUCARE SKIN NAIL OIL

¥2,970

監修者・執筆者

大塚裕司
大塚裕司株式会社tsumeplus 代表取締役
マラソンで自身の膝トラブルの原因が爪にあることに気付き、爪に深い興味を抱く。
その後、3万の爪をケアしてきたネイルサロンオーナーを経て「爪と身体の関係」を研究。TOKYO2020オリンピックパラリンピック選手村でネイルケアを提供する。「爪と運動力学」を視点に独自の分析理論を持ち、国立大学と共同研究、元日本代表選手のサポート、メディアや講演等に出演し爪の重要性を啓発する。

・アスリートネイル協会 認定アドバイザー
・アスリートネイル協会 認定ネイルトレーナー
・爪切り指導士
・熱中症対策アドバイザー

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