側爪郭(サイドウォール)とは?爪を衝撃から守る皮膚のクッションを働かせて爪割れを予防しよう
インターネットでは、美容に関するネイルケアの情報は良く目にしますが、爪の機能に着目して爪の基礎知識や専門的な視点を教えてくれるところは、なかなかありません。
tsumeplusでは、スポーツと健康の爪ケア専門サロンとして、爪の機能と役割を中心に爪の構造や特徴を解説していきます。
今回は、「側爪郭(そくそうかく)」の特徴を知って、日常のネイルケアに役立てましょう。
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側爪郭(そくそうかく)= サイドウォールとは?
側爪郭は「そくそうかく」と読み、爪甲の左右両側にある厚みのある皮膚の部分の名称です。
側爪郭は、英語では「lateral nail fold:サイドウォール」と言います。
側爪郭の特徴と解説
側爪郭の特徴は、外力による衝撃から爪を守り、爪甲を左右両側から支える役割がある。
側爪郭の背面部は指の皮膚であるが、腹面部は側爪溝の一部となり、爪甲の表面に密着しています。
側爪郭の向きと陥入爪
陥入爪では、主にこの側爪郭に炎症が生じて起こる病状です。
陥入爪や巻き爪の場合、側爪郭や側爪溝のくさび型が縦方向になってくる傾向があるので、歩いたり走ったりする時に爪が皮膚により食い込みやすい状態を作ってしまいます。
その結果、食い込んだ皮膚で痛みを生じ、指先に体重がかけられないことで巻き爪を助長させてしまうことにつながります。
正常なゆるやかな爪のアーチを保っていると、側爪郭のくさび型が横方向に向き、地面からの爪圧にしっかり耐えられるようになり、痛みが生じることもありません。
側爪郭とスポーツの関係と傾向
側爪郭は、競技や職業、性別によって厚みの度合いが異なり、先天的な要因の他に後天的な運動環境によって、人それぞれに特徴が見られます。
なかなか意識はされませんが、競技と爪、側爪郭は大きな関係があります。
例えば、投げる競技の場合、指の腹にかかる力は一定でも、側爪郭の厚さや柔らかさにより、爪のストレスポイントにかかる負荷が変わってきます。
つまり、側爪郭は爪を守るクッションの働きをしてくれているためです。
ストレスポイントを守れるということは、爪割れ、亀裂を予防にもつながり、スポーツにとっては大きなメリットです。
しかし、指先の幅が爪よりも広い場合は、投げる動作の繰り返しによって、爪が爪圧を効かせられない指先の両側の側爪郭にタコができることがあります。
タコは皮膚がよく擦れたりぶつかったりする部分を守るために、その部分の角質が硬く厚くなることで体を守ろうとする反応ですが、放って置くとどんどん硬くなり、中に芯ができ、痛みを伴うことがあります。
そうなってしまっては、スポーツどころではありません。
爪を守るクッションの働きを保ちながら、爪圧をしっかり効かせられる側爪郭をメンテナンスすることが、スポーツ選手やアスリートにとっては重要です。
側爪郭のネイルケア
それでは、アスリートが側爪郭をケアするにはどのようなことをすると良いのでしょうか?
側爪郭のケアのポイント
- 側爪郭の柔軟性を保持する
- 側爪溝(側爪甲縁と側爪郭の間)の汚れを取り除く
①側爪郭の柔軟性を保持する
側爪郭は、爪を守るクッションの働きがあるとお伝えしましたが、それを最大限発揮するためには、側爪郭自体が柔軟性を保持することが大切です。
側爪郭の柔軟性をキープするためにできることは、保湿です。
側爪郭を保湿する代表的なケア用品は、手ならハンドクリーム、足ならフットクリームが挙げられます。
硬くなりすぎたタコや角質には、専門家と相談した上で角質軟化成分が入ったケア用品を使用すると良いでしょう。
このようなケア用品を使った保湿は、ホームケアでも十分に可能です。
ぜひ指先を守るケア用品を取り揃えておきましょう。
側爪郭が乾燥してしまうと、ささくれなどの爪のトラブルの原因になります。
特に野球選手にとっては、側爪郭を守ることは爪割れを予防することに直結しますので、しっかりと爪と側爪郭を保湿して守りましょう。
側爪郭の保湿不足によって起こる野球パフォーマンスの低下の詳細については、次の記事をご覧ください。
▶︎ 関連記事「野球|投手の爪は「皮膚」で守る|爪の見立てFile.32」
▶︎ 関連記事「野球|保湿だけで爪のトラブルを防ぐ|爪の見立てFile.33」
②側爪溝(側爪甲縁と側爪郭の間)の汚れを取り除く
側爪郭の柔軟性を保つために保湿が大切だと紹介しましたが、いくら側爪郭の柔軟性が保たれていても、側爪溝に汚れ(繊維カスや砂、溜まった角質)などの異物があると、側爪郭は十分に爪甲を守ることができません。
なぜなら、側爪郭と爪甲が異物によって密着できないため、衝撃が吸収しきれなくなってしまうためです。
それどころか、側爪溝に溜まった異物が取り除けないでいると、爪甲と接する側爪郭の部分にさらに角質が溜まってきてしまう悪循環に陥ってしまいます。
本来は爪を守るクッションだった側爪郭は、硬くなってしまうと爪甲に傷をつけ、負担をかけてしまう凶器に変わってしまいます。
側爪溝の汚れを取り除くには、お風呂上がりに水分を含ませたコットンで優しく拭うなどして普段から角質が溜まらないようにしましょう。
もし角質が溜まってしまった場合は、力をかけて取り除くのではなく、アスリートネイルトレーナーに相談することをおすすめします。
側爪郭のまとめ
側爪郭は、外力による衝撃から爪を守る皮膚のクッションであることが分かりました。
爪割れを予防するには、爪のケアやメンテナンスだけでは不十分であり、指先周りのケアも同時に注意することが、指先感覚が研ぎ澄まされたより良い指先コンディションを導きます。
トレーニングや練習が終わるたびに、自身の爪と指先の状態をセルフチェックするルーティーンを身につけることが好調を保つ秘訣とも言えます。
万が一、違和感があった時は、チームドクターやアスリートネイルトレーナーに相談しましょう。
爪の構造と各部位の名称・役割一覧
※順次、各部位の詳細ページを公開しています。
爪の構造と役割の基礎知識
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爪を衝撃や感染から守る部位
爪の成長に大切な部位
爪と皮膚を留めている部位
爪が持つ三層構造
※これらの呼び方は、書物によって異なる場合があります。
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監修者・執筆者
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マラソンで自身の膝トラブルの原因が爪にあることに気付き、爪に深い興味を抱く。
その後、3万の爪をケアしてきたネイルサロンオーナーを経て「爪と身体の関係」を研究。TOKYO2020オリンピックパラリンピック選手村でネイルケアを提供する。「爪と運動力学」を視点に独自の分析理論を持ち、国立大学と共同研究、元日本代表選手のサポート、メディアや講演等に出演し爪の重要性を啓発する。
・アスリートネイル協会 認定アドバイザー
・アスリートネイル協会 認定ネイルトレーナー
・爪切り指導士
・熱中症対策アドバイザー
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