指先ケアのオンオフが着付師の爪荒れを救う|爪の見立てFile.17
写真から「なぜ、その爪の状態になったのか?」をスポーツ、健康、爪の機能の視点から考察して原因を分析し、カウンセリングと施術に活かす爪の見立て。
爪を観察すると、体に起きてる状況と変化が分かります。
同じ爪のトラブルを繰り返さない予防の観点からも、原因を考えることはとても大切です。
このページの内容
爪の見立て事例|50代・女性・着付師
今回は、50代・女性の着付師の手爪を、アスリートネイルトレーナー 大塚裕司の見立てで紹介します。
ネイルケア施術前の写真
ご来店された時は、下の写真のような爪まわりでした。
①現状の爪の状態
- 指先の乾燥
- 中指の縦割れ
- 乱れた爪先の切り方
②爪の見立て(原因分析)
- 人差し指、中指の酷使
- 指の腹と爪表面からの強い圧
- 平たい指と指の背の擦り跡
③爪のケア方法の提案
- 着付けを邪魔しない保湿
- どうしたいかカウンセリング
- ネイルトレーナーと二人三脚で改善
大塚裕司が爪の見立てを詳しく解説
爪先の形が不均一、乾燥、爪の縦割れ、剥離ぎみなど、指先を酷使している状況が非常に見て取れます。
それだけ着付師は、アスリート並みの仕事なのですね。
着付けは、着物を触ることによる乾燥や指先にかかる負担がとても強く、それが爪のアーチ(Cカーブ)の崩れ、爪の乾燥、反り爪につながってきていると見立てられます。
触れば触るほど繊維に皮脂分が奪われているのではないでしょうか。
また着物の隙間に指を入れてお直しをされる場合もあり、着物や帯に挟まれた指は、指の腹からかかる力と爪表面の上からと上下に挟まれる形で強い圧がかかります。
おそらく人差し指と中指をよく着物の隙間に入れているのでしょう。
人差し指は爪の上下からの圧迫で反り気味に、中指は亀裂が入り爪が縦に割れたのだと見て取れますね。
併せて、人差し指、中指は特に指の背が平べったくなっているようです。
この点も着物の中での上下からの圧力を物語っています。
本当は指の輪郭まで爪を伸ばせると、爪圧が指先で働いて着付けもしやすくなるはずですが、深爪と乾燥、剥離がそれを妨げてしまっています。
結果、着物や帯の間に指を強く入れないと着付けやお直しがしにくく、それによって乾燥や深爪がさらに進む、という悪いループに陥っていると考えられます。
爪が指の輪郭まで伸び、爪圧が容易にかけられると、着付けの短時間化になるだけではなく、指先への負担も大きく軽減できるので、爪ケアを見直したいですね。
そこで良い状態にするためのご提案は、2つ挙げられます。
まず一つ目は、乾燥を防ぐための保湿。これは必須です。
しかし、着付師という職業柄、ネイルオイルやハンドクリームのベタつきは敬遠されると思います。
また保湿といっても、水分と脂分の2つがありますが、両方を同時にすることは仕事日には難しいケアとなるでしょう。
そのため、仕事日には、小さなスプレーボトルに化粧水などを入れて瞬時に指先に水分だけでも潤いを与えてみてください。
そうすることで、少しずつ爪先の様子が変わってくると思います。何もしないよりは、ぜんぜん良くなります!
仕事がないオフの日には、オイルも入れて集中ケアするなど、オンとオフのケアの切替えが現実的でおすすめですね。
そして、二つ目のご提案は、着付けに合わせたケアプランの策定です。
正直なところ、今の指先の状態から考えると、指の輪郭まで爪のピンクがあり、潤い感がある指先を目指して
すべてを一度に良くしていくことは大変難しく、まずはカウンセリングを通して、どう良くしていくかの優先順位をハッキリ決める必要があるかと考えます。
着付師は、布に触れる仕事です。また着物に指を挟むこともあります。
爪の縦割れがあるので、ジェル補強も有効ですが、爪が厚くなったことで、着物の間に指が入りにくくなったなど、着付けに影響しないかご本人と確認したいですね。
着付師は絆創膏を巻くと、お客様の着物の中で取れて忘れ物してしまうこともあります。
テーピング、ネイルシールなどはそのリスクも考慮していきたいところです。
自爪の改善に向けて、ジェルが良いか、グルーが良いか、別の方法が良いか、専門的な知識をもったネイルトレーナーに相談いただきながら、実行可能な爪のケアプランをお客様と一緒につくるのが良いでしょう。
ネイルケア施術後の写真
ネイルケア施術後は、下の写真のようになりました。
自宅で1分の保湿ケア習慣で強い爪に!
「EMUCARE(エミュケア) 肌爪オイル」は、スポーツ選手やアスレチックトレーナーがクールダウンのマッサージで愛用するエミューオイルをベースに作られた、健康スポーツ専用の肌爪オイルです。
爪だけでなく、皮膚も含めた指先全体を整えるので、ホームコンディショニングにおすすめです
美容と違い、スポーツや健康視点でのネイルケア
おしゃれのネイルのように、ツヤツヤでキレイにしないのには理由があります。
今回は「爪の見立て」の紹介なのでここまでですが、もっと詳しく知りたい方は、tsumeplusにお問合せくださいませ。
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爪の見立てFile.16〜18「50代・女性・着付師」
ランニングで負担がかかるこの事例の足爪について、3人のネイルトレーナーがそれぞれの立場から考察しています。
監修者・執筆者
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マラソンで自身の膝トラブルの原因が爪にあることに気付き、爪に深い興味を抱く。
その後、3万の爪をケアしてきたネイルサロンオーナーを経て「爪と身体の関係」を研究。TOKYO2020オリンピックパラリンピック選手村でネイルケアを提供する。「爪と運動力学」を視点に独自の分析理論を持ち、国立大学と共同研究、元日本代表選手のサポート、メディアや講演等に出演し爪の重要性を啓発する。
・アスリートネイル協会 認定アドバイザー
・アスリートネイル協会 認定ネイルトレーナー
・爪切り指導士
・熱中症対策アドバイザー
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